シンプルな資産構成を

シンプルな資産構成を

2020/2/3
横尾 龍

 資産運用について学ぶとき、国内外の株や債券に分散するべきだということや、年齢などに応じた適切な配分について考えましょう、という話が必ず出てきます。

 今回はこのことについて、カスタマイズについては考えずに一般論として考えてみます。

 

 

そもそもなぜ分散するのか

 リターンの源泉を多様化しておく、ということが目的です。

 教科書的によく言われるのは相関性の低い資産同士を組み合わせて全体の変動率を低下させましょう!ということですが、これは適宜支払の義務が発生する前提がある、例えば年金運用を行う機関投資家などの話であり、個人の運用においてはそのような部分については運用せずに現金で持っていればいいだけの話です。

 

各資産クラスにおけるリターンの源泉

■国内債 : 金利
■先進国債 : 金利
■国内株式 : 国内の経済成長 ※1
■外国株式 : 投資対象国の経済成長 ※1

◇高金利国の債券 : 案件による ※2
◇個別株式 : 案件による
◇低格付けの債券 : 案件による
◇仕組債や通貨選択型ファンドなどのデリバティブ商品 : 案件による

※1 企業のマージン、指数のPERを一定とした場合
※2 案件によるとしたのは、高金利国ほど為替のボラティリティが高く、高インフレ国の場合はインフレ加速・インフレ緩和ともに通貨安要因になりえるため

 

現在の環境に照らすと・・

 今は「成長率が高水準になったり物価が上昇する見通しが長期的に薄く、ゆえに緩和的な金融環境も続いていく」という見通しが日本をはじめ先進各国で非常に強く持たれています。

債券

 この見通しに則っているからこそ、国内債券は超低金利でも買われているわけです。変動金利10年の個人向け国債は直近で下限の0.05%、30年という超長期債でも0.5%を切っています。

 個人的にも物価は日本はもとより米国でさえそう上昇していかないだろうと一貫して考え続けてきましたし、今もそうですが、だからといって個人の資産運用において上記の金利で運用するべきか、というと疑問です。

 もし見通しが誤っていてインフレ率が過去並みの水準に上昇したら超長期債に固定してしまっていると実質的な減価を招きますし、変動金利ならばと言っても0.05%であれば、日本国債に関してはインフレ率が上昇するまで現金でいいや、と考えてパスしても良いのではないでしょうか。(低格付け債券は低金利とは限らないため、案件によると思います)

株式

 古今東西、自国の資産に重きを置く傾向があるもので、これをホームカントリーバイアスと呼びます。

 日本がダメだということではなく、長期的には経済のグローバル化は進むであろう、との考えに基づけば、このホームカントリーバイアスはあまり論理的ではないと考えます。

 ゆえに、わざわざ国内・外国と切り分けて投資するのではなく、日本を含む世界に分散投資している対象から優れたものを検討すれば良いと考えます。

 

結論

 以上のことから、長期的に保有する資産としては世界株式、米国債などの先進国債に絞って考え、何を買うかよりも運用期間を長く取る工夫に焦点を当てるべきと考えます。

 その一方で、物価が上がらないから現金で待機している時間に問題はない、という認識を持ち、ゆったりした構えで運用待機資金を確保しておき、株式でも債券でも個別で良いと思う案件を待ってこつこつとリターンを積み上げていく。

 このような形が一つではないでしょうか。

 

<ディスクレーマー>
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定はお客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。
本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

 

 

Share
しらかば投資相談

コメントは受け付けていません。